太郎庵通信 令和5年11月号【鶴ヶ城前店 開店】

Be Aizu

 会津の応援菓でありたい。
私たちの生まれ育った会津は山々に囲まれ田舎ですが、歴史・文化・風土を兼ね備えた美しい街です。大切な家族や友人、たくさんの仲間がいます。
大切な思い出もあります。そんな会津が大好きです。僕たちは、そんな会津をより多くの方々に知って頂きたい。そして、また「ちょっぴり」好きになってもらいたい。
お菓子は、生きていくのに必要ではありませんが、心を「ちょっぴり」豊かにしてくれます。お菓子を通して、その「ちょっぴり」に貢献できれば幸いです。
僕は、いろんな大人たちの会津に対する誇りと熱量をみて会津に生まれ育ちました。その歴史と文化、気高さ。その誇りの一つが鶴ヶ城かと思います。

この度ご縁を頂き、その憧れの鶴ヶ城のほとりで店を開店させて頂くこととなりました。僕たちも鶴ヶ城のように、お菓子を通して会津の誇りと自慢に思って頂けるよう、憧れへの挑戦をしようと決意しました。これからも皆様に可愛がって頂けるよう、良い商品と良いサービスを日々磨いて参ります。


「会津の中心で夢を叫ぶ」

十年以上前、僕の憧れるシェフが「情熱大陸」に出演していました。「どうしたら、情熱大陸に出れたのですか?」と質問しました。
「お前に何か世の中に伝えたいものはあるのか?」
当時お菓子の修行を終えて会津に戻ってきたばかり。商品開発や企画、人材育成など会社に貢献しようと勉強と実践に必死でした。しかし、世の中に伝えたいこと?と問われ、「ないかも知れません」と答えました。
「だろ?世の中に伝えたいことが火山のマグマのように溜め込んで、溢れ出したくてたまらなくて、爆発するんだよ。お前にあるか?まずはインプットするんだよ。まだまだ勉強が足りないんだよ。」

僕の父が太郎庵を創業したが、「会津坂下町の裏通りにある店を表通りに出したい」「苦労している両親に親孝行したい」「お菓子で会津を応援したい」「会津にあって日本を代表するお菓子屋になりたい。だから、太郎庵にしよう」「お菓子で人の心に温もりを伝えたい」「情熱と温もり、シンボルマークをランプにしよう」そんな夢溢れる父を尊敬すると共に嫉妬しました。
僕はそんな父の夢を応援したいし、それを実現させることが社長を交代してからの僕の夢へと変わりました。

二〇〇八年衛生トラブルがあり、全県に新聞テレビ報道がありました。僕はその当時二十代で、まだ横浜で修行していました。父は会社存続の危機と思ったらしく、報道翌日お客さまは誰も来ていないと思ったらしいですが、そこに奇跡がありました。「こんな大変なときだから太郎庵を応援しようと思った」そんなお客さまで店は溢れかえっていました。その話を聞き僕の生き方は決まりました。そんなお客様へ恩返しをしなければ。
僕は生まれ育った会津が大好きです。
囲んでくれる山々や田園風景「のどか」で好きです。「のどか」って英語で何というのか英語の堪能な友人に聞くと「peaceful」と教えてくれました。
その話を社員に話したら「それって、太郎庵宣言ですね。」と、教えてくれました。
まさに、「peaceful」

この度、会津若松市の鶴ヶ城のほど近くに「太郎庵 鶴ヶ城前店」を開店させて頂くご縁を頂きました。
それを記念致しまして、会津の美味しいお米で、「会津米の天神さま」を謹製させて頂きました。
僕らの大好きな会津を、お菓子を通してお役に立てれば幸いです。

太郎庵 代表取締役
目黒 徳幸